10-20代の頃アウトローな俳優に憧れた

松田優作

萩原健一

 

わたしの考えるアウトローとは、

日本人が作り上げてきた世間という空気感や社会秩序に窮屈さを感じ、世間に抗い破壊的な生き方をする人。

 

広告の仕事で長年お世話になったテレビの世界でも枠組みを壊してきたアウトローがいました。大橋巨泉、前田武彦の二人です。


それまで台本ありきの予定調和だった番組進行を破壊し始めたのです。


彼らの破壊力を見守ってきたプロデューサー達も、放送基準の枠内で調整した手腕は凄かったんだなあと、改めて感心します。それまでのテレビ番組の作りや制約などの枠組みをどんどん広げていった時に一緒に枠組みを広げていったのですから。


ルールが壊されるのを見ていて気持ち良かったのを覚えています。


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チャップリンに憧れていた萩本欽一も又そんな破壊者の一人だった。台本のない緊張感で出演者の潜在的な能力を引き出していた。

全民放のゴールデンタイム全ての番組で視聴率30%近く叩き出したのです。

 


その後に登場してきたのが、ビートたけし、タモリ、さんま、所ジョージ。


彼らはLIVEで戦うことのできる言葉の破棄力をもったアウトロー。
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歳を過ぎた今でもその破壊力は健在だと思います。

 

台本のないLIVE進行の場合、番組プロデューサーは大変だったと思いますが、毎回予定外のドキュメンタリーのような番組に仕上がっていったように思います。

 

放送禁止用語もものともせず、見ているこちらがヒヤヒヤしながらも楽しめた。


ライブの緊張感はバブル期には遂にポルノレベルの映像がお茶の間に流れることになりに、番組制作側もようやく目が覚めた時には放送時間の自粛という放送業界にとって異常事態に追い込まれてしまったのです。

 

今では当たり前になっているバラエティ番組の生放送の基礎が、彼等の破壊力のお陰で出来上がってきたのだと思います。

 

 

好きな音楽の世界のアウトローの代表は吉田拓郎、泉谷しげる。


章節という枠に、言葉をどれだけ詰め込むんだと思うくらい詰め込んだ吉田拓郎。いつも会場にきている観客から帰れコールを浴びせられ、それに対して本人は意に介せず、兎に角バカヤロー!を連発する泉谷しげる。

 

金を払って見に来た客だろうが何だろうが、自分のやりたいように進める。

鈍感とかではなく、人の話を聞かない。単なるわがままし放題。でも人を傷つけることはしない。今でも健在です。素晴らしい!



そこで思い出すのがフィリップ・マーロウこのセリフ
日本語訳がかっこよかった

If I wasn't hard, I wouldn't  be alive.
If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive


"
タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない"


気の利いたセリフを吐いてやせ我慢するのもアウトロー

アウトローと呼ばれる人からは漂う色気を感じます。

最近色気のある人に出会うことが少なくなってきましたがデジタル技術のお蔭で、様々なアーカイブを無料で見られるのは有難いと思っている今日この頃です。

放送基準の厳格化やBPOの設置で、アウトローは生まれ難くなってきたかも知れないけれど、アウトローには憧れる。




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