数年前から、両手の指の先や節々がカサツクので薬局で保湿クリームを買ってきては塗っていたのですが、結果的に悪化してしまい皮膚の表面が乾燥してパキッと割れて出血するようになってきました。

 

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傷口がしみるので指用絆創膏常備するようになりました。更に大中小の指用サックまで常備するようになりました。それでもなかなか治らないので原因を調べるため皮膚科に行くことにしたのです。

 

結果、先生に言われたことはひと言「出来るだけ水に手を浸けないこと」でした。

 

何かの病気ではないことが分かりホッとしました。

 

でも、困った事があるのです。

 

それは、節約のために始めたわが家の料理担当が私のデイリーワークになっているので、水仕事が出来ないのは困ります。

レパートリーも増えて料理を作るのにいちいちゴム手袋をしなければならないのは面倒だ。

 

 

でも、この時ふと思ったのです

つま先から頭のてっぺんに至るありとあらゆる身体の一部を、これまでの人生で意識せず、どれだけこの身体を酷使してきたことか。

 

 

実は私、戦後最大の被害を残した伊勢湾台風が通過した翌日、台風一過を見るために川原に遊びに行ったのです。幅100メートルの川はかつて見たことがないくらい水位が高く、猛烈な勢いで流れていました。

私は岸に流れ着いた流木に片足を乗せて遊んでいたのですが、つるッと足を滑らせた瞬間
濁流の中に落ちてしまったのです。一瞬のことでしたが、今でも濁流の中でもがいていた自分と目に映った映像を思い出すことができます。

 

幸運にも、同じく台風一過の様子を見に来た近所のお兄さんに助けてもらえたのです。

後で話を聞いたところ、上着の首辺りをぐっと掴まれて引き上げられたみたいです。

助けてくれたお兄さんは我が家の目の前に住む吉岡さんの長男でした。

当時お兄さんは小学生高学年だったと思います。

年が離れていたので日頃一緒に遊ぶこともなかったので、その後お礼も言わないままになっています。

 

地元警察も来て新聞社も取材に来て翌日の新聞記事に載ったようです。

私は死ななかったのです。本人の意思ではなく生かされたのですね。

 

大人になっても時折当時を思い出すこともありましたが、思い出の一つとして扱っていました。でも今はこの奇跡的な出来事にもっともっと感謝すべきだと思っています。

 

 

指先のカサつきは、自分自身が生かされたこの身体のケアを怠ってきたことに他なりません。老人性乾皮症なんて言い訳です。

 

自分が生きている間は神様から借りているこの肉体をもっと大切にすべきだと思います。

しかも一度生かされたのですから。

 

 

好きなこと、やりたいことは常にこの肉体と精神が共に行動してきたことを思い出します。

何か仏教的な悟りのような考えですが、この世に生まれて与えられたこの肉体は神様の一部をお借りしているのだと考えるようになりました。

知恵は私個人が努力すれば一定量増えもしますが、肉体には寿命があり終わりがあります。

 

これまでの人生において、生かされた意味など考えることなく夢中に生きてきました。

生きて貢献できたことは、数万年前から引き継いで出来た人類の遺伝子を受け継ぎ、孫に引き継ぐことが出来たことくらいです。

 

私は人生という山を下山している最中ですが、知恵と体験はまだまだ増やしたいと思っています。

 

それは借りているこの肉体が機能不全を起こさないで存在している限りは続けたいと考えています。


まもなく東日本大震災から8年が経ちます。
今を生かされて私たちはそれぞれの人生と向き合いを、これからどう生きてゆくのか、たまにはじっくり考えるのも良いと思います。

指のカサツキをきっかけに人生を振り返ることになりましたが、生かされているかぎり、
今日も一日頑張るとしよう。