明治になって西洋文明に憧れ、敗戦後は欧米文化に追い付け追い越せで頑張ってきた日本だが、バブル崩壊以降なかなか復活の狼煙は上がらない。
どうすればいいのだろうか?
今まさに経済活動の中心にいる30代~40代の人達が中学・高校・大学生だった頃、将来への希望や未来についてどう考えていたのか?
当時実施したアンケート調査の一部を拾ってみました。
(財)青少年研究所による1989年調査
日米の高校生達に同じ質問をしたアンケート結果です。
30歳になるとき世界で一番豊かになる国はどこだと思いますか?
日本の高校生
-世界で一番豊かな国は日本 46.2%
-世界で一番豊かな国はアメリカ 25.5%
アメリカの高校生
-世界で一番豊かな国は日本 50.4%
-世界で一番豊かな国はアメリカ 36.9%
1989年のバブル経済時に日本企業がアメリカの象徴であるニュヨークのマンハッタンの土地や高層ビルを購入したり、メジャー映画会社を買収したりしていた当時の質問です。まさに価値観はお金が最優先だったのですね。
そして、バブルがはじけた後の調査
読売新聞の日米大学生意識調査
1998年~1999年インターネット調査
人生の目標はいずれ達成できる
日本の大学生 37%
アメリカの大学生 79.1%
自国が良い方向に向かっている
日本の大学生 14%
アメリカの大学生 56%
国政選挙に関心を持ってる
日本の大学生 27%
アメリカ西海岸の大学生 78%
又、2000年に日米の学生達に同じ質問をしたアンケート結果です。
(財)青少年研究所による2000年7月調査
21世紀は希望に満ちた社会と思う
日本の中高生
-とてもそう思う&まあそう思う 33.8%
-あまりそうおもわない&全くそう思わない 62.1%
アメリカの中高生
-とてもそう思う&まあそう思う 88.2%
-あまりそうおもわない&全くそう思わない 11.9%
今まさに30代~40代の人達が、17~18年前には日本の未来に夢や希望を持っていなかったことがこのアンケートではうかがえます。
今でも国政選挙への関心は当時の気持のまま、政治には今でも関心なさそうですね。
当時の若者たちが熱狂していたのはゲームでした。そしてスマホの登場で今でも当時人気だったゲームのシリーズは続いています。又、当時人気だった漫画も相変わら根強い人気で、時が経った今でもテレビや映画の実写化で成功しています。今に引き継ぐ優良コンテンツかもしれません。
最近すごく気になる日本人凄い!的なテレビ番組。
日本の技術は世界一!
日本製の土産を国に持ち帰って両親おお喜び!
こんな所で日本人が活躍している!
世界が驚く日本人!
世界の人がビックリする日本の伝統!
日本人凄いとか、日本だからとか、私たちには当たり前の事を外国人に自慢している様子を日本国内向け番組として放送し、私たち日本人が見ている。
なんとも歪な流れですが、高度経済成長の止まった後の空白の30年間で自信を失った日本人が、外国人の目から見た日本の良さ・強さを客観的に教えてもらい、それらを再認識して自信を取り戻している時期なのかもしれません。
歴史的に見ても、海外で評価を得て、日本人がその価値を知ることになった例は多くあります。
代表的な例が、浮世絵です。
陶器など壊れやすい貴重品を海外に輸出するときに、アンコの役割で詰めていた紙くずが浮世絵だったこと。
ヨーロッパには無かったその美の世界に驚いたこと。
ゴッホが浮世絵の影響を強く受けたことで、日本人は浮世絵の価値を知ることになったのです。
西洋かぶれという言葉はまさに価値観の逆輸入から生まれた言葉ではないかと思います。
自らその価値を判断することはできないけれど、西洋人が価値ありと認めたものは優れていると受け入れる。
明治の初め、欧米に憧れていた日本人は、日本固有の文化はもはや全て価値なしと考え、国中の一般人も知識人も外国のモノ、舶来品が優れていると思い込んだのではないだろうか。
20年前テレビ番組で「ここが変だよ日本人」が放送されていたことを思い出します。
1998年~2000年/TBS
司会:ビートたけし
出演者:テリー伊藤、江口ともみ、そのまんま東、浅草キッド等
来日している外国人(タレント)が思う、日本人の習慣の変な所、変わっているところを指摘され、でもそれが日本人なんだと、真っ向から意見の対立する番組でした。
当時の制作スタッフは昭和の高度成長時代とバブルを経験した、勢いのある若者たち。
警察だろうが、政治家だろうが怖いものなし。
ある種、ディベート的番組で(罵声は飛び交っていましたが)今思えばとても自由な番組だったと思います。今ならBPOが番組打ち切りに持っていくでしょうね。
当時の若者はまだ未来に対して希望も目標も持っていたように思います。
テレビの世界では20年前にアンケートに答えた世代の人達が中心となって、今まさにテレビ番組を作っている頃かと思います。
アンケートに答えた当時、未来に希望も目標も持っていなかった世代です。経済は低迷期にありながらも近年増え続けているインバウンド。
自らの姿は鏡でしか見ることが出来ません。
アウトサイダーが見た日本の伝統、文化、芸術に価値があることに改めて気づいたのかもしれません。世界の先頭を目指して前に前に走ってきた日本人は経済的に先頭を越したあと、今や先頭が見えないのです。
テストにその意味は書くことが出来ていたけれど、まさに”灯台下暗し”なのです。
先日久し振りに渋谷の街をぶらぶら歩いてみたところ、旅行者と思えるアジア系、欧米系の人の多さに驚きました。
出国も増えていますが、訪日数はすごく伸びていますね!
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